【質問と回答】おせち料理に海老が入っている理由を教えてください!

 
■ 当サイトをご覧の方々並びに全国の皆様におかれましては、お身体に十分注意していただきたく存じます。
 
【動画を見る】
【Web検索順位】

おせち料理に関連した料理雑学、豆知識

おせち料理に海老が入っているのは何故ですか?

おせち料理や祝膳に海老(えび)を使う意味と理由

えびには「腰が曲がるまで」という意味と「えびのように長いひげが生えるまで」の2つがあり、このことから長寿の願いを込めて正月料理やおせち、婚礼の席などの祝膳に用います。

■ ひげは下処理として切ることが多いですが、縁起や願かけといった理由から祝い料理のときは残す場合もあります。

海老(えび)に関連した料理内容

御節料理(おせちりょうり)とは

節会(せちえ)の供御(くご・ぐご)、供饌(ぐせん)で「節句料理」のことです。

節会とは日本の宮廷の祝い日に行われる饗宴を伴う公式行事をいいます。■供御とは天皇や皇族の食事のことで供饌は神に供え物をする行為をさし、供える食べ物などは神饌(しんせん)といいます。

古くは、五節句の人日(じんじつ 1/7)、上巳(じょうし 3/3)、端午(たんご 5/5)、七夕(たなばた 7/7)、重陽(ちょうよう 9/9)のさいに用意していましたが、のちに正月の祝饌をおせちというようになり、本来の姿は蓬莱飾り(ほうらいかざり)にあります。

蓬莱飾り

三方(さんぼう)の上に白米を敷き盛りして、熨斗鮑(のしあわび)、伊勢海老(いせえび)、搗ち栗(かちぐり)、串柿(くしがき)、昆布(こぶ)、馬尾藻(ほんだわら※じんばそうともいう)、裏白(うらじろ)、ゆずり葉、松竹梅(しょうちくばい)、橙(だいだい)などの縁起物を供えた形で飾り、現在では鏡餅(かがみもち)にその姿が表されています。

蓬莱飾りとは新年の祝儀の飾り物のことで、三方は儀式などのさいに神前に供え物をするときの白木の台をいいます。■三方は現在でも鏡餅を飾るときに用いています。(三方に穴が開いている)
鏡餅の飾りに使う主な植物

橙 ・ ゆずり葉 ・ 裏白

ゆずり葉の名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がその若葉に譲るようにして落葉することに由来しており、と共に縁起物として「親子代々相継ぐめでたい葉」という理由から正月飾りに使われます。また、おせち飾りや料理の下に敷く ※ 掻敷(かいしき)として使用するうらじろの葉は、左右2つの葉が相対することから夫婦和合の対象とされ、葉の裏が白いところから夫婦とも白髪になっても、常緑のまま若々しく(表の緑色葉のままの意)という縁起ものとして、正月料理に多く用います。 ※ 掻敷(かいしき)とは、料理を盛る器や神饌(しんせん)に敷く木の葉や紙の総称で、食器がなかった古代は、食べ物を木の葉に盛ったといわれています。

そして、上記の飾りに使用した食物などを食べやすく調理して年神(としがみ)様に供え、それを下げた人々が神と共にいただきながら祝うことを直会(なおらい)の儀といい、これらの行為や供えた食物、植物などが、現在作られている「おせち料理の元」となっています。

年神は日本神話や神道の神で歳徳神(としとくじん)とも呼ばれ、元日に幸せをもたらす神様といわれています。

【関連】

冬至(とうじ)とは

大晦日に年越しそばを食べる理由

正月、おせち料理の関連

おせち料理や正月に関連した調理内容一覧【レシピ、豆知識など】まとめ

正月とおせち料理の献立一覧

正月の煮物とおせち料理関連

おせち料理や祝い膳の飾り切り一覧

他の飾り切りにつきましては≫「野菜の飾り切り方法、切り方とコツ100選」に掲載しております。

注:包丁には十分注意して手をけがしないように仕上げてください。

おせちの重箱に入れる料理の順番

一の重

おせち料理の上段には数の子、たたきごぼう、田作り、黒豆などの祝い肴(いわいざかな)と呼ばれる「正月らしいもの」が入りますので、取りわけやすいように彩りよく盛りつけてください。

■ 田作りは「ごまめ」ともいい、紅白なますは焼き物のあしらいとして「二の重」に入れる場合もあります。

おせち料理にごぼうを使う理由

おせちに数の子とにしんを使う理由

数の子の薄皮むきと下処理のコツ

動画を視聴する
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

数の子や子持ち昆布等の塩蔵品の塩抜きに真水を使わない理由

鱓、古女、五万米(ごまめ)の語源

田作り(たつくり、たづくり)の語源

田作り、ごまめの作り方と醤油だれの割合【ごまめ50グラム分】

二の重

重箱の二段目には、祝膳の縁起をかついだ焼き物類や酒の肴(さかな)などが入りますので、裏白や葉らん等を間に挟んで取りわけやすく、色彩豊かに盛りつけてください。

そして、焼き物類は保存性が高く、味がかわりにくいという理由から「みそ漬け」にすることが多いです。

おせち料理に鰤(ぶり)を使う理由

三の重

お重の三段目には、海の幸や山の幸の煮物、または煮しめが入ります。

その理由は、汁気が他の料理に移らないようにするためですので、煮物類は三段目に集めてください。

煮染め(にしめ)の語源と意味

与の重

おせち料理の4段目にくる重箱は「四の重」ではなく「与」の字をあてて「与の重」と書きます。

そして、4段目を作ることは少ないですが、この重には一般的な珍味類やお菓子などを入れ、子供たちは最後に甘味を食べて、お酒を飲む方はこちらの珍味をあてに、最後の節句料理を楽しみます。

【参考】

冬の料理関連を見る

鍋料理を作る時の調味料割合集【煮汁や鍋だしの配合50音順一覧】

冬の食材50音順一覧表

和食の献立、料理用語集

献立別の料理用語集一覧へ

和食の焼き物手法

【串の打ち方と名称一覧】

和食の献立名、それぞれの意味と特徴

日本料理の献立名それぞれの意味50種【先付から甘味一覧】

折敷(おしき)とは
日本料理の点心の意味
本膳(ほんぜん)とは
一汁三菜の種類と献立名
精進料理(しょうじんりょうり)

【茶懐石料理とは!】

茶懐石料理の由来、献立の名称と順番

【会席料理と懐石料理】

2つのかいせき料理の相違点

【料理用語関連】

料理の雑学、豆知識一覧

【あ段~わ段】

【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】

【は】 【ま】 【や】 【ら】 【わ】

料理用語集 50音検索

【参考】

料理別の調味料割合を見る

【項目別一覧表】

■ 下記の一覧表からは各カテゴリーに移動いたします。

閲覧数が多い記事一覧

他の料理内容やレシピ等につきましては≫「日本料理、会席・懐石案内所のサイトの料理内容一覧」にも掲載しておりますのでお役立ていただければ幸いです。

次回は違うメニューでお目にかかりたいと思います。最後まで閲覧していただき、ありがとうございました。