【基本の煮物10種類】
芝煮、沢煮、含め煮
煮浸し、すっぽん煮、あら煮
旨煮、甘露煮、煮しめ、きゃら煮
今回は、和食の煮物に使う調理方法をご紹介したいと思いますので、料理作りにお役立てください。
日本料理の献立
基本の調理方法、煮物10種類
「煮物」
煮物は、だしをベースに調味料を加えて材料を煮込んで持ち味を引き出す調理法です。
そして、この場合の調味料とは塩、酒、醤油、砂糖、みりんが基本になります。
素材の種類、状態によってこれらを組み合せてください。
また、本来の煮物は惣菜料理ですが、味つけ次第で酒の肴(さかな)にもなり、日本料理の献立に欠かせない調理方法です。
煮物は味が濃くなると冷めてからの方が美味しく感じるため、柔らかく煮るものは下処理で柔らかくしてから味をつけてください。
「芝煮」
一番だしと酒を中心に少量の塩と薄口醤油で味をつけた味の薄い煮物で、塩分濃度はだしの0.05%ていどです。
■ 材料の持ち味を引き出して、たっぷりの煮汁とともに味わってください。
「沢煮」
芝煮より、やや濃い味で、塩分濃度はだしの約0.06%です。
■ 材料をサッと煮ますので簡単なようですが、細く切った材料の歯ごたえなど、タイミングがむずかしい煮物です。
「含め煮」
薄く味つけした、たっぷりの煮汁で旨味をじっくり含ませる煮物です。
塩分濃度はだしの0.01%で、吸いものより、やや濃い味にしてください。
そして、素材によっては二番だしを使い、追い鰹をしてください。
また、調味料(塩、醤油、砂糖、ミリン、酒)は、素材の持ち味がいきるように、その都度、組み合わせてください。
そして、煮上がったあと、煮汁に浸けたまま冷まして味をなじませるのがポイントです。
「煮浸し」
含め煮とほぼ同じ塩分濃度の煮汁で時間をかけ、煮てください。
そして、煮びたしは甘味が少なく、あっさりとした味が特徴です。
■ 鮎、やまめ、あまごなどの川魚を使うことが多いです。
※ 菊菜、菊花、ほうれん草などの煮浸しもあり、この場合は短時間で色よく仕上げてください。
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【料理用語と豆知識】
「煮しめ」
煮浸しよりも濃い味の煮物です。
醤油をきかせた濃いめの煮汁で汁けがなくなるまで煮つめてください。
■ 冷めてからの方が味がよく、日持ちしますので折詰や弁当、重詰にも利用できます。
「あら煮」
鯛の頭やかまの部分、またはブリのかま、中骨など、魚のあらを使う煮物です。
■ ごぼうや筍などを合せて煮ることもあり「あら炊き」ともいいます。
「旨煮」
砂糖と醤油で、材料に煮汁をからめて煮る「濃厚」な味の煮物です。
そして、砂糖をたくさん使うために甘味が強く、甘煮(あまに)と書くこともあります。
また、日持ちがよく、弁当や重詰にも適しています。
「甘露煮」
鮎、わかさぎ、小あじなどを砂糖、醤油、みりんで照りよく、甘辛く煮たもので保存食にもなります。
魚は焼いてから煮ることが多く、弁当や折詰、そしてご飯のおかずに適しています。
■ 仕上げに焦がしてしまうと、匂いがつきますので火加減に気をつけてください。
「すっぽん煮」
油で揚げる、または炒めてから酒、醤油、みりん、砂糖などで味つけしてください。
■ 酒の肴、弁当、惣菜など、用途が広いです。
本来は、すっぽんに比較的近い味の「鶏肉」を揚げたものをスッポン煮と呼んでいたとされます。
「きゃら煮」
ふき、椎茸、昆布などの乾燥食材を使い、醤油を主体に濃い味に煮あげたものです。
■ ビン詰や真空パックにすると、常温で約1年間、保存がききます。
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【参考】
今回は基本的な煮物を10種ご紹介いたしました。
煮物の献立につきましては≫「和食の煮物、たき合わせ一覧」に掲載しておりますので参考にされてはいかがでしょうか。